コミュニケーションは苦手だけど、得意になりたいと願う人は多いです。
一般的に「コミュニケーション障害(コミュ障)」と呼ばれる状態から脱するべく、職場や学校でも既に行動しているかもしれません。
それでも上手くいかず、どうにかする方法を求めてこの記事に辿り着いたのではないでしょうか?違っていたらすいません。
「コミュニケーション」とは会話だけに限らないのです。
行動・しぐさ・雰囲気・印象・態度など、自分が媒体となり発信できるものすべてが含まれます。
ちょっとしたポイントと心構えさえ意識していれば、すぐに会話能力も上達できるでしょう。
いきなり達人レベルになるのはさすがに難しいですが、経験を重ねていくにつれて確実にステップアップしていきます。
今回は仕事やプライベート問わず、相手とコミュニケーションを図るときに、最低限おさえておくべきポイントをご紹介していきましょう。
■相手の価値観や趣味を予測しておく
これは主に初対面の相手に対して有効な方法ですが、実際にアクションを起こす前にしっかりと相手を観察しておきましょう。
まじまじと見ていると変態扱いされるので、あくまで自然に。
外見から得られる情報は、その人の趣味嗜好を予測するのに絶好の材料になります。
相手を無視した内容で話しかけても、盛り上げるのは難しいでしょう。
■スーツの着こなしや手入れ
ビジネスの男性相手であれば、以下のようなポイントから人柄の予想が可能になります。
<スーツ姿全体の印象>
・サイズの合ったものを着ているか
サイズが合っていないのであれば、ファッションには無頓着の可能性が高い
・しわや汚れはないか
手入れが十分でないのなら、おおざっぱな性格でかつ1人暮らしの可能性が高い
・色は暗めか明るめか
男性で明るめや独自性が強い場合、我が強く目立ちたがりの傾向がある
・首元にフケはついているか
しわや汚れと同じで、おおざっぱ・面倒くさがりの印象が強くなる
・ネクタイは派手かシックか
ネクタイは本人の性格が出やすい。
これは色彩心理などを参考にするといいでしょう。
<袖口や襟元のボタン>
・商談時にボタンはすべて留めているか
クールビズなどではなく、ボタンを留めずにいる人がいます。
こういう人は、仕事としての意識が低い可能性があるでしょう。
<靴の状態>
・先端や全体がすり減って傷が目立っていないか
相手への印象や身なりよりも、浪費を避けるタイプ。
あるいはただの面倒臭がりです。
<髪型と髪>
・長髪か短髪か
本人の仕事に対する意識の高低の目安になる。
ビジネスに不向きなほど長い場合は、要注意。
・色は何色か
スーツの色と同じ。
就職活動のとき、面接官に見られるポイントとして挙げられる部分も多いですね。
仕事として付き合うのであれば、これらの印象は最適な状態にしておかなくてはなりません。
ある程度人をよく観察する人であれば、これらの要素が不適合な時点で見切りをつけてしまいます。
逆にスーツや髪形に相当気を使っているのであれば、仕事としての意識が高いか、ファッションに強い興味を持っている可能性が高くなります。
もし会話の端々にそれらの言葉が隠れているのであれば、合間に挟んでみるとスムーズに商談が楽しめるかもしれません。
このように、相手の外見からでも性格や価値観、趣味嗜好を予測することが大切です。
ただし、印象と内面は必ずしも一致するわけではないので、早急に断定しないようにしてください。
外見と最初の挨拶で第1印象を操作しておくのも、立派なコミュニケーションです。
ここにしぐさや姿勢などの行動が加わり、相手や自分の中に互いの予測人格図が完成していきます。
■相手の話に、自分の意見を中立の立場で返す
会話は相手ばかりが話しても、自分ばかりが話しても円滑に進みません。
また、人は自分の意見を否定的に返されると、それに対して反発や怒りを感じます。
そのため、心理学やコミュニケーションにおいて、「でも」や「だって」は好ましくないとされているのです。
ではどうすればいいのか。
相手の意見も汲み取りつつ、自分の意見を持って返せばいいのです。
意見を汲み取るには、相手の立場から状況をみる客観性が必要になります。
自分が相手の立場だった際に、会話相手にされて嬉しいことをすればいいのです。
■簡単な会話例
例として営業会社の社長Aと、人事Bの会話(会議?)を出してみましょう。
A:新卒は厳しく育てた方が本人たちのためになると思うんだ
B:そうですね。たしかにその方が本人たちのためになると思います。
A:だから、最初は飛び込みやテレアポを1人でやらせてみようと考えているんだ。
それで失敗して、また挑戦して少しずつ力を付けていってほしい。
B:なるほど。Aさんの意向は素晴らしいと思います。
……これは私個人の意見なのですが、今の新卒生は昔ほど辛抱強くはありません。
なので、全てを最初から1人でやらせるというのは、少々リスクが大きいのではないでしょうか。
A:しかし、それではいつまで経っても一人前にならないじゃないか!
B:ええ。その通りです。
ですので「1人でやらせる日」と「先輩と一緒にやらせる日」を交互に取り入れてみてはいかがでしょう。
A:交互に?
B:はい。
「1人で上手くいかない」という状態に耐えるメンタルがないので、それを支える先輩を1日ごとにつけるのです。先輩といるときは可能な限り褒めて、気分を良くして勉強させる。
これなら極端に追い詰められることもなく、じっくりと育成できると思ったのですが、どう思われますか?
A:なるほどな。
B;時間はかかりますが、確実かつもっとも効率的かと思いまして。
A:たしかに。うん、それでいこう。
……ただの商談のようになってしまっていますね。
しかし、会議も雑談もコミュニケーションという意味では同じです。
この例だとAの意見に対してBがAの意見を肯定しつつ、自分の意見を返しています。
Bだけの意見を主張するわけでもなく、Bは自分の意見に対して、またAに意見を求める。
会話は基本、これの繰り返しです。
■まとめ
今回はビジネスシーンを例に挙げましたが、互いの考え方や価値観を理解して尊重する。
これを意識するだけでも、話していて相手が嫌な気分になることはないでしょう。
重要なのは「相手の話をしっかりと聴き、理解し、共感する」ということ。
これを勘違いして「聴いている・共感しているフリ」をする人がいますが、大体バレます。
あくまでも相手の話をちゃんと聞いて受け入れるという意識が、コミュニケーションを図る上では最重要なのです。