会社や大学などの日常生活において、「コミュニケーションが苦手だ」と感じている人は多いのではないでしょうか。
コミュニケーション能力が高い人材は、どこにいっても重宝されています。
どんな技術職や事務職でも社内や社外との意思疎通ができなければ、専門能力を活かせず、価値が半減してしまうからです。
フリーランスであれば、これは死活問題になります。
こういった理由から、コミュニケーション能力を身に着けようと猛勉強したり、勉強会に参加している方も大勢いらっしゃいます。
しかし、世の中に出回っているコミュニケーション能力向上のための書籍やサイトを読み、セミナーなどに参加していても、思うような効果が得られないケースは少なくありません。
そのような方々の多くは「コミュニケーション」を、理屈で考えようとしている傾向が強いのではないでしょうか。
本来の会話やコミュニケーションとは
・価値観と価値観
・情報と情報
・感情と感情
この3つのやりとりです。
心理学において、会話以外にも情報を伝達する手法は、いくつも存在します。ですが、いずれも基本は「意識と価値観と感情」です。
重要なポイントを理解して意識すれば、経験と共に自ずとできるようになるでしょう。
今回のテーマとして、会話やコミュニケーション能力を向上させるための考え方とその理屈について解説していきたいと思います。
■現代のコミュニケーションの傾向
昔は対面での会話が一般的で、現代のようなLINEやスカイプなどの、ネットを通したコミュニケーションはほとんど使われていませんでした。
近年では法人でも社内のやりとりはLINEを採用し、会議もスカイプやWEB会議といったシステムが活用されています。
これらのシステムやネットの普及によって、場所や時間を問わずビジネスが行えるようになりました。
私のようなフリーランスが増えているのは、その影響も大きいでしょう。
一方で、20~30代でコミュニケーションが苦手という人が増えています。
ネットでの会話は利便性に優れる反面、相手の表情を見て話すことはありません。
対面の会話では当たり前である「表情」「顔色」「動作」といった情報が、ほぼなくなってしまうのです。
対面での会話経験が乏しくなりがちな現代の20代は、この影響が非常に顕著だといえるでしょう。
■コミュニケーション能力不足による弊害
仕事に限らず、相手との会話が上手く成り立たないと、さまざまな弊害が生まれます。
・自分の言動に対して、怒られる理由が理解できない
・社内での付き合いがうまくいかず、孤立する
・クライアントの意図が汲めず、成果につながらない
・普通に会話しているつもりでも、相手を不愉快にする
・1度会った人にまた会いたいと思ってもらえない
・あらゆる場面において「誰も自分を理解してくれない」と孤独感を感じる
・自分の思いを解放できず、鬱や鬱病になる
・友達や恋人ができない
など。
因みに1対1の会話であれば、片方のコミュニケーション能力だけで成り立ちます。
しかし、能力が高い側からみて低い側に利用価値がなければ、あっさりと見限られてしまうでしょう。
友人や恋人関係でも、相手におんぶだっこではいずれ疎遠になるのと同じです。
■一般的にある対策方法と効果
世間一般でいわれる「コミュニケーション能力向上」の主な手法は
・心理学の学習
・「聴くと話す」の比率やテクニック
・とにかく実践
などでしょう。
もちろん、これらの方法も有効だと思います。
心理学や傾聴力などのメカニズムを理解しておけば、会話に対する意識は高まるでしょう。
とにかく実践すれば、場数で慣れていく部分もたしかにあります。
ただ根本的なところを解決しなれければ、どのようなテクニックや知識を得ても、コミュニケーション能力の向上は難しいでしょう。
■自分に対する劣等感と悪循環
コミュニケーションは価値観・情報・感情の伝達と共有です。
これが苦手、嫌いだという方の多くは「できないから面白くない」と感じているのではないでしょうか。
「できるけど面倒くさい」という場合は、必要がないのならしなくても問題ありません。
やらなければいけないときだけ、やればいいでしょう。
問題は「したいけど上手くいかない」「できないからやりたくない」という方たちです。
このような人たちは、自身が会話できないという点に大きな劣等感を抱いています。
その劣等感を刺激しないために、可能な限りコミュニケーションを回避しようとするのでしょう。ですが、それではいつまでたっても解消できません。
逆にコミュニケーションが得意な人は、それが自慢です。
やればやるほどに、楽しく、面白く感じます。
そして経験を積み、さらに会話上手になっていくのです。仕事で活かしているのであれば、なおさら。
技術職であれば、プログラムが好きな人はより高度な技術を得るために勉強して、どんどんスキルアップしていくでしょう。
極論「好きこそ物の上手なれ」のことわざ通りになります。
■他人に対する考え方
色々なセミナーや書籍を買い漁る前に、「相手が人間である」ということを念頭に置いておきましょう。
個人的な印象ですが、相手をゲームのキャラクターのようにしか見ていない人が多い傾向があります。
人はプログラムのように指示したとおりに動いてくれませんし、感情もあります。
自分のしてほしいこと、話したいことだけをただ吐き出しても、相手には不快感しか残りません。
コミュニケーションには言語と非言語の2種類がありますが、どちらにしても人間の相手ありきです。
・優しくされたい
・自分の都合がいいように動いてほしい
・褒めてほしい/認めてほしい
・愚痴を吐きたい/聞いてほしい
・チヤホヤされたい
・楽してお金がほしい
・苦しいこと、辛いことは嫌だ/逃げたい
あなたがこう感じて思うように、相手も同じことを考えています。
コミュニケーションは、これらを理解した上でどのように相手と自分の利害を一致させて関われるかです。
だから技術やテクニックだけ身に着けても、根本の意識を改善しなくては意味がありません。
お互いに自分の要望だけをぶつけていては、会話が成り立ちませんよね。
■まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は具体的な方法論ではなく、ごく当然な部分をお話しました。
というのも、私が個人的に関わってきた人たちでも、気付いていない方が多かったためです。
子供のころによくいわれる
・自分がされて嫌なことはしない
・自分がされて嬉しいことを相手にする
これを実践するだけでも、コミュニケーションはかなり楽になります。
次回は、具体的なコミュニケーションのテクニックや意識すべきポイントについてお話する予定です。
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