本来のコミュニケーションは理屈ではなく、価値観や経験から上達していくものです。
しかし、学問の側面から見たコミュニケーションは少し異なっており、ジャンルも非常に細かく分類されています。
定義は学者や分野によってもさまざまで、一概に語りきれるものではありません。
そこで、まずは一般的に定義されているコミュニケーションと、その種類や用語についてご紹介していきたいと思います。
■コミュニケーションの定義とは?
学問的なコミュニケーションの定義は、以下の通りです。
1人間が社会生活を送る中で、意思・感情・思考を相互に共有、伝達すること。
方法は言語・文字・身振りなど。近代においては、チャットアプリなどの「コミュニケーションツール」もその1つです。
2人間と同じく動物同士が行う身振りや鳴き声、行動などによる意思・情報の共有。
■言語的と非言語
大きく分けて、コミュニケーションには2つの種類があります。
言葉や文字を手段とした「言語的コミュニケーション」と、言葉以外の身振りなどで相手に意思を伝える「非言語コミュニケーション」です。
人は言葉以外の部分でも意思や価値観、情報を共有しています。
「嫌いな相手に対して、不機嫌な表情をする(嫌がっているという意図を伝えます)」
「無言で好きな相手の手を握る(好意を伝えます。※いきなりやるとセクハラです!)」
「欲しい服をずっと見続ける(それが欲しいという意図を伝えます)」
「腹痛のときに腹部をおさえる(お腹が痛いと相手に伝えます)」
など、これらも言葉を使わない伝達です。
非言語と言語的はそれぞれ、以下のような方法が当てはまります。
・言語的コミュニケーション
言葉や文字による発信のみ。
ここにはチャットや電話など、コミュニケーションツールを用いた方法も含まれます。
・非言語コミュニケーション
言葉以外による伝達の大半が非言語コミュニケーションです。
服装から表情まで、相手に何かしらの情報や解釈を与えるものはすべて当てはまります。
清潔感のある服装や髪の色など、相手に与える印象を意図的に作り出すこともコミュニケーションを図る手段です。
■学問的なコミュニケーション能力とは
こちらに関してはWikipedia先生に聞いてみました。
・言語による意志疎通能力。「コミュニケーション能力」という言葉は、元々は言語学の分野で用いられた学術的な用語であった。
・感情を互いに理解しあい、意味を互いに理解しあう能力。感情面に気を配って、意味をわかちあい、信頼関係を築いてゆく能力。
・非言語的な要素(相手の表情、眼の動き、沈黙、場の空気など)に十分に注意を払うことで、相手の気持ちを推察する能力(非言語コミュニケーション)
・上記の非言語的な要素により知った相手の気持ちを尊重して、相手に不快感を与えないタイミングや表現で、自分の感情や意思を相手に伝える能力
・意思疎通、協調性、自己表現能力
・社会技能(ソーシャルスキル)。暗黙知。
・上手にコミュニケーションを行うための体系づけられた知識、技術(コミュニケーションスキル)
・合意(コンセンサス)形成能力
・「論理的コミュニケーション能力」(自己の考えを論理的に明確に、相手に表現する能力)
・会話のキャッチボールを上手く行える能力
・企業が求人広告等で応募者に要求している「コミュニケーション能力」は、ビジネスシーンにおいて発揮が期待される精選された「折衝能力」「交渉能力」「説得能力」を指しており、必ずしも対人コミュニケーション一般を円滑におこなうスキルをもって満足するものではない
意味が重複している項目が多いのは、人によって解釈の差が大きいためでしょう。
簡単にまとめると、以下のようになります。
・言葉を使って相手の感情や意思を汲み取り、意思疎通を図れる能力や技術。
・自分の考えや気持ちを、相手が理解できるよう論理的に話せる能力
・言葉以外で相手の感情や状態、気持ちを察して円滑にコミュニケーションを図れる能力
つまり、相手に嫌な思いをさせずに意思疎通を行い、信頼関係を築ける能力ということですね。またこれには協調性なども含まれます。
■コミュニケーションに関連する言葉
・コミュニケーションツール
情報や意思を伝えるための道具。名刺や手紙などが当てはまります。
・コミュニケーションギャップ
意思疎通をしているつもりで、互いの解釈が異なって食い違っている状態です。
・コミュニケーションプロセス
発信者から受信者に情報が伝達するまでの過程のことです。
・コミュニケーションアプリ
チャットアプリや通話アプリ、メッセンジャーアプリなど。
・コミュニケーション障害(コミュ障とも呼ばれます)
2つの意味があり、一般的には2の意味で使われます。
1.知的障がいなどで正常なコミュニケーションがとれない障がい。
2.コミュニケーション能力が低い人や状態
■まとめ
いかがだったでしょうか。
新卒採用などで企業が求める人材として、「コミュニケーション能力が高い人」というのがありますよね。
しかし、「コミュニケーション能力」の解釈には人それぞれ違いがあり、上記の「コミュニケーションギャップ」が生じやすいのです。
今回は学問的な側面からの紹介でしたが、今後は実用性のある方法や考え方、情報をお伝えしていこうと思います。