ビジネスの場や家庭内でのモラルハラスメントなど
あらゆる場面で使われる「モラル」という言葉。
改めて誰かに「モラルの意味は?」と聞かれたら
理路整然と答えられる人は少ないんじゃないでしょうか?
モラルを日本語に訳すと「道徳性・倫理」だ!
いや、読者が知りたいのはそういう意味じゃないだろう。
言葉そのままの意味なら
Google先生に聞けばすぐに教えてくれます。
が!
この記事を読んでる人が知りたいのは
モラルがない!とかいうけど、そもそもモラルって何!?
マナーとかモラールも同じ意味じゃないの!?
って感じのことだと勝手に思ってるんです。
だからこの記事では、国語的な意味だけでなく
「モラル」という言葉の使い方やマナーとの違いなどについて解説します。
モラルの意味は倫理観・道徳性
まず「モラル」は海外の言葉であり
日本語に直すと「道徳性・倫理感」などの意味になります。
モラル [1] 【moral】
道徳。倫理。また,人生・社会に対する精神的態度。
「封建的な-」 「新しい-を求める」 「 -がない」
引用元:weblio辞書★
昨今、ユーチューバーが注目される反面
比例して若者の倫理観や道徳心が心配されていますよね。
モラルの極意は他人への思い遣り
モラルの意味=道徳・倫理という話ですが、分かりやすく言えば「社会的ルール」や「人間的な良心」に基づいた行為か否かというだけです。
◎社会的ルール
不倫や殺人・詐欺などの犯罪・違法行為
◎人間的な良心
合理性に加えて、他人や集団・環境への利益・影響・善悪なども含めた配慮
上記に反する行為をしたとき
「モラルがない!」とか「モラルハラスメントだ!」と糾弾されることになります。
ユーチューバーのモラルが~
観光客のモラルが~
と問題視されるのも、自分の利益や楽しみばかりを追求して
他者や環境への影響を考えない行動をしている人が目立つからですね。
言葉としての「モラル」の使い方・使用例
ビジネスやプライベートの場で「モラル」の言葉が
用いられる状況は意外と限られています。
それぞれの場面で「モラル」という言葉に
どのような意味が含まれているのか、項目ごとに解説していきましょう。
〇〇としてのモラル
さまざまな場面において
「〇〇としてのモラルが必要だ!」
という言葉が用いられますよね。
例えば
◎政治家としてのモラル
◎大人としてのモラル
などなど。
〇〇としてのモラル、とはいうものの
大原則は「自身の立場をわきまえた上で、他者や集団に対して十分な配慮をした言動ができているか否か」というだけです。
上記に反している場合は、例え法律や社会的なルールを守っていたとしても、非難される可能性が高くなります。
誰にも迷惑をかけていないからいい!と思っていても、人としての道理や筋、道徳に反していると、集団の中では害と見なされるのです。
最近の日本は個人の尊重ばかりが重視され、倫理観はどんどん薄れているように個人的には感じます。
モラルがない
道理が通ってない・倫理に反している言動に対して用いられるの言葉ですね。
例えば「浮気」は、結婚はしていない男女によるもので、法的な問題はありません。
しかし、日本では特定の異性と交際中しているときに、他の異性と交際すると倫理や道徳に反している行為として、糾弾の対象となります。
モラルがない行為は、総じて大多数の他人が見て気分を害する行為です。
そこには金銭や損得勘定など物理的な部分はあまり関係ありません。
が!
最近の若者は物理的なことばかりに目がいき
モラルを理解できていない人が多くなっている印象があります。
ユーチューバーが「自分で買ったものをどうしようと自分の勝手だ!」と
物を粗末にする動画をアップして炎上しているのも、日本の倫理に反しているからです。
所有権等は関係なく、それを見て大多数が気分を害する行為だから、バッシングされる。
某有名ユーチューバーがニベアを浴槽に入れて炎上したのとかね
それを作った人、材料となっている自然や環境など
背景にあるあらゆるものを軽んじた行動が、大衆の気分を害してしまうというわけです。
モラルハラスメント/モラハラ
たくさんあるハラスメントの種類うちのひとつ。
モラルを欠いた暴言などにより、他人の人格や尊厳を傷つける行為の総称です。
または精神的な嫌がらせや暴力のこと。
モラル=「他人の心を十分に配慮する心」と考えると分かりやすいと思います。
モラハラとパワハラって違うの?
よくパワハラとモラハラの違いを気にされる方がいますが、基本となる部分は同じです。
パワハラは社会的地位や、当人たちの関係性における上下関係を利用したモラハラ行為。
モラハラは夫婦や友達など、対等な立場にありながら相手を精神的に傷つける行為。
モラリスト
モラリストは文字通り『モラル』を追求する思想を持った人の総称です。
哲学・心理学などさまざまな書籍や論文などを引用しながら、より道徳的・倫理的な人間の在り方を追及しています。
モラルハザード
主に金融機関や預金者・法人企業などが、利益を追求するあまり倫理や節度を無視した行動を起こす行為の総称を指します。
保険におけるモラル・ハザード。保険に加入していることにより、リスクをともなう行動が生じること。広義には、1.に含まれる。
倫理の欠如。倫理観や道徳的節度がなくなり、社会的な責任を果たさないこと(「バレなければよい」という考えが醸成されるなど)
引用:Wikipedia
「モラル」がない行為の一例
◎不倫・浮気:違法行為・不貞行為
◎強盗・窃盗:犯罪行為
◎電車で他の人を押しのけて座ろうとする
◎映画館で大声で談笑する
◎その他/モノや他人を粗末に扱う行為
総じて、他人への配慮や常識に欠けた行為に対して
他人からモラルがないと認識されます。
モラルの類義語
善悪の価値観に基づく動機づけ | 道徳 ・ 倫理 ・ 人倫 ・ 道義 ・ 倫理的動機 |
善と悪または正と誤りの判断などに準ずる | モラリティー ・ 徳行 ・ 道徳 ・ 倫理性 ・ 道徳性 ・ 倫理 ・ 人倫 ・ 善徳 ・ 徳義 ・ 道義 ・ 義 |
モラル・マナー・モラールの違い
モラルと類似する言葉として「モラール」と「マナー」があります。
同じ意味と思われがちですが、厳密にはそれぞれ違った意味を持った言葉なんです。
モラルの意味
人としての道徳・倫理などをあらわす言葉。
各個人の価値観によって基準が異なるため、軸となるのは主観的な思想です。
例:人間とはどうあるべきか…
マナーの意味
社会全体で共通する礼儀・礼節・常識などをあらわす言葉。
個人の価値観ではなく、客観的視点のもと判断できる基準です。
例:就職活動はリクルートスーツを着ていくのがマナー
モラールの意味
個人が組織に貢献する姿勢や意欲をあらわす言葉。
元は兵士の戦闘意欲を示す言葉だったのが、いつからか会社や組織に対する貢献意識を表現する言葉として用いられるようになりました。勤労意欲とも言えます。
例:うちの会社は社員のモラールが高い(低い)
まとめ
モラルは目に見えない概念です。
そのため生産性や効率ばかりを重視する昨今の日本には合わない言葉となりつつあります。
個人的には生産性がなくても、他人を気遣う心って大切だと思うんですけどね。