フリーランスで働く人が増えたいまのご時世、セクハラやパワハラ・モラハラなどのハラスメントは会社員だけの話じゃなくなってきましたね。
とくに女性フリーランスの方は、セクハラやパワハラに対してかなり注意されてるんじゃないでしょうか?
★クライアントからセクハラを受けたらどうしよう…
★『男性の担当者から、仕事の話だから二人で打ち合わせしたい』と言われたけど…
★クライアントの担当者が毎回モラハラやセクハラ発言してくる…
などなど。
女性に限った話でもないですが、比較女性のほうがこういったシチュエーションや悩みを抱える場面は多いでしょう。
というわけで…
この記事ではフリーランスがクライアントから、セクハラやパワハラを受けたときの対処法と予防法を紹介します。
これを読んでおけば、異性の顧客や威圧的なクライアントへの対処もできるようになるでしょう。
パワハラやセクハラは会社員だけじゃない
パワハラやセクハラといえば、多くは会社員の間でだけ起こるように思ってる人もいるでしょう。が、実際にはフリーランスでもハラスメント行為は普通にあります。
会社員の場合は上司と部下の関係性でパワハラが発生するのに対して、フリーランスの場合はクライアントとの間で起こるんです。
ハラスメント全体の定義は『いやがらせ・人を困らせること』
その中でパワーハラスメントの定義は以下3つの基準に則ります。
1)職場や仕事上の地位や関係性を利用している
2)業務の適正範囲を超えた指示や命令をしている
3)相手に対して極端な精神的苦痛を与え、職場環境・仕事環境を害する行為
この3つに該当する行為が、法律では『パワーハラスメント』と呼ばれるというわけですね。フリーランスの場合は職場というより、仕事環境ですが。
セクシャルハラスメントは文字通り『性』を利用したいやがらせや不快行為・言動。
それぞれの行為を、もう少し具体的に解説していきましょう。
職場や仕事上の地位や関係性を利用している
パワーハラスメントは、パワーの文字通り『権力・地位』を利用したいやがらせ行為です。なので、会社などの職場は、典型的なパワハラが発生しやすい環境になります。
上司や先輩など立場的に自分よりも上の人から罵詈雑言をいわれたり、断れないような圧力で何かを強制させられたりしたときに、パワハラと判断するわけですね。
フリーランスでは、クライアントとの間で発生するケースがほとんどだと思います。
業務の適正範囲を超えた指示や命令をしている
業務内容に関係のない範囲におよぶ命令や指示を出した場合も、パワハラと見なされます。
例えば会社の部下に対して
ちょっと焼きそばパン買ってきて
愛人の名簿作っといて
など、業務の範囲を超えた指示や命令ですね。
逆にいえば、多少キツイ物言いで精神的に傷ついたとしても、それが業務範囲内での指摘や叱責であった場合、パワハラにはならない可能性が高いということ。
例えば
何でちゃんと報告をしなかった!仕事をなめているのか!!
日頃からスケジュール管理をしていないからこうなるんだ!!
などは、業務範囲内での叱責なので、例えそれでアナタが傷ついた!といっても、パワハラにはならない可能性か高いということ。
なので、怒られたらハラスメントといえばいいんだ!
みたいな勘違いはしないようにしてくださいね!
相手に対して極端な精神的苦痛を与え、職場環境・仕事環境を害する行為
★お前はダメな奴だ
★所詮、高卒じゃこんなもんか
★お前馬鹿じゃないの?土下座しろよ!DO・GE・ZA!!
など、直接業務に関係ない人格や学歴に対して侮辱する行為ですね。
割と日常的に起こることですが、昨今ではこうした言動はパワハラやモラハラに分類されます。
多くの人は仕事を失う恐怖などから、泣き寝入りしているケースが多いでしょう。
正直なところ、訴えて勝てたとしても、その後の状況を考えると行動に起こすのを足踏みしてしまうのは仕方ありません。
フリーランスでも起こるセクハラ・パワハラ例
フリーランスは会社という後ろ盾がないので、主に顧客からハラスメントを受ける可能性が高くなります。
具体的には以下のようなケース。
★(異性から)今夜の相手をするなら、新しい仕事を依頼する
★フリーなんだから安くしろ、できなきゃ契約を解除する
★何度も無茶な修正や依頼を高圧的に出し、できないなら契約解除などをほのめかす
★成果物納品後に、立場を利用して値切ったり、当初の対価を払わなかったりする
男女ともに起こりえることですが、どちらかといえば女性のほうが被害にあう場面は多いでしょう。
フリーに対する考え方は人それぞれですが、社会的に見ればフリーランスの立場は非常に弱く、見下してくる人も少なくありません。
平気で無茶な金額でやるように言ってきたり、料金を踏み倒そうとする会社もあります。
そんなときでも、法律を含めて自力で対処しなければならないのが、フリーランスの厳しいところです。もちろんいいお客様もたくさんいますけどね。
最新ハラスメントは全56種類!!定義や対策、相談先まで詳しく解説するよ!
フリーランスでハラスメントを受けたときの対処法4つ
実際にフリーランスをはじめて、ハラスメントを受けてしまったらどうすればいいのか。誰でもできる範囲から、行動に移しやすい対処方法をご紹介します。
やめてほしい旨を直接伝える
一番簡単でありながら、難易度が高い『やめてくださいと直接伝える』方法。
これができるなら苦労しない!という人が多いと思います。
が、やっぱり一番手っ取り早いんです。
相手が調子にのってる場合でも、これを伝えれば少なくとも『まずい』ことは理解しますから。
不快であることをはっきり伝える点が重要。
もちろん相手によっては、それで仕事が来なくなる可能性も否めません。
ただ立場的な嫌がらせを受けてまで続けるビジネス関係って、なかなか無意味なものだとDは思います。
そういうのに縛られたくないから、アナタはフリーランスになったのでは?と。
担当者の上司に相談する
もし相手が担当者レベルの人なら、その上司などに相談してみるのもひとつ。
ある程度規模が大きい会社なら、担当者を変えてもらえる可能性もあります。
規模的に小さい場合は、経営者に直接伝えたりするのもあり。ただ担当者以外と面識がない場合は少々難しい方法です。
ハラスメントの相談窓口に相談する
昨今はハラスメントの種類が次々に増えていく時代。
フリーランスが受けるハラスメントについても、相談を受け付けている窓口がいくつかあります。
法テラスなど無料で相談できるところもありますし、資金的に余裕があるなら弁護士に話をもっていくのもありでしょう。
・法テラス
・弁護士
問題の相手に対して、そこまでしても利点がある状況なら、検討する価値は十分にあると思います。
レコーダーを胸ポケットに入れて威嚇する
対面で顔を合わせる頻度が高い相手からのパワハラやセクハラに悩んでいる場合は、上着の胸ポケットなどにレコーダーを忍ばせておくと有効です。
それも相手に少し見えるように設置したり、食事のときなどにあえて机の上に置いておくのもいいでしょう。そうすることで『ガードがかたい』と思わせることができます。
ときには相手から
★それ何?レコーダー?何で持ち歩いてるの?
とか聞かれることもあるかもしれません。
そんなときは
☆メモができないときなど、いざというときに使えるので
とでも言っておけばOK。
実際に使うか否かは別にして、レコーダーを見せるという行為が相手に対して警戒心を抱かせるんです。
誰でも自分の発言を一字一句録音されてると思えば、おのずと口数が減って気軽には喋れなくなります。
フリーランスでハラスメントを受けないための予防法4つ
ハラスメントを受けてからの対策も大切ですが、受けないように予防することも覚えておくべきです。
相手に付け入る隙を見せるからこそ、相手はそれを弱みと判断して言いたい放題になるんです。
立場や関係性然り。
ハラスメントを受けないため、また受けた場合の対応などをしっかりと決めておくことで、相手に余計な認識を与える心配もなくなります。
異性とは2人で会わない
とくに女性のフリーランスの方。
男性顧客が立場を利用して、近づいてくる可能性はなきにしもあらず。
可能な限り、異性の担当者と2人だけで会うシチュエーションは、避けたほうがいいでしょう。
もちろんすべての誘いを断るのは、現実的に考えて難しいですが…
日中の仕事なら問題ありませんが、仕事終わりの食事などは要注意。
より厳密にいうと『プライベート領域の話題がメインになってきたとき』は、とっとと切り上げるほうがいいかもしれません。相手が異性の場合はね。
同性の場合は、気のすむまで話を聴いてあげれば、よりいい印象を与えられる可能性も高いです。
どんなにいい人に見えても、男はオオカミなのです。
会話の中でハラスメントについて主張しておく
食事や打ち合わせなど、商談とは直接関係のない話題になる場面も少なくありませんよね。
そんなときに
セクハラ(またはパワハラ)って最低ですよね~、自分だったらすぐに訴えちゃいます
とか、ハラスメントに対する意識を主張しておくと、相手への抑止力となります。
ハラスメントを受けたら取引をどうするか決めておく
もしセクハラやパワハラ、あるいは近しい行為を受けた場合の対処はしっかり決めておきましょう。
ある程度は黙認するのもひとつですが、一定ラインを超えたら、取引自体を自分から切ってしまうくらいの覚悟は持ったほうがいいです。
基本、セクハラやパワハラは我慢すればするほどエスカレートします。
相手に気付かせない限り自然消滅することもありません。
しかし、それを気付かせたり、やめさせようとすると、ビジネス関係そのものが終わってしまうという状況のほうが残念ながら多いのです。
クライアントに対して下手に出ない
クライアントに対して誠意や礼儀を持つのは非常に大切なことです。
しかし、過度にこびへつらって下手になりすぎると、明確な上下関係が発生して、相手の言いなりになるしかない関係ができあがります。
そうならないためにも、フリーランスとして対等に、そして礼儀と誠意を持って接しましょう。
まとめ:フリーランスは基本的に自分で解決するしかない
ハラスメントなど顧客との関係性において、フリーランスは原則としてすべて自分で解決するしかありません。
相談窓口やフリーランス同士の集まりによる支援団体などはありますが、最終的な責任を背負うのは自分です。
発生した問題に対してどこかに相談するにせよ、そういう対策があることを自分で学び、必要に応じて行動に移さなければなりません。
フリーランスは自由である反面、全責任を自分で取らなければならない。そんな働き方です。